Sakuyaのイソジオタ活のススメ

サブカルにまみれていたバブル時代を経て現在五十路

墨のゆらめき

落ちている間に本を読みました。

三浦しをんさんの「墨のゆらめき」。三浦さんといえば、デビュー作「格闘する者に○」の瑞々しい青春小説を楽しく読んで以来、まずまず追いかけてきた作家さんなのですが、久しぶりにタイムリーに新作が読めました(といっても3か月後ですが)。

相変わらずな文章の上手さ。力みのない、淀みのない筆致。そして非常にバランス感覚が良い方だと思うのですが、まず、「世界」を作り上げるのが上手い。エッセイなどもすごく面白く読んでいますが、そちらでBL好きを公言されているのに、「平等」に色んな愛を描ける作家さんです。

今回のお話も男性二人の奇妙な友人関係の話ですが、二人が「関わっていく」過程を丁寧に描いていて、更にどうしてそういう「関わり」になるのか、お互いの人間形成の過程をもきちんと物語の中に組み込んで描いています。さすが。

ところで、タイトルからわかるようにこの話は「書」を裏のテーマとしています。

実は、私、書道を長いことやっていまして。まず小学3年生から高校1年まで8年間。そのあと社会人になってから30年あまり。

しかしながら…残念ながら自分の書には「才能」を感じません。というか…私はただただ字を書くのが好きなだけなんです。いわゆるお手本そっくりに書く「臨書」が好きだし、書体としては一番に「楷書」のすっきり綺麗な字が好きです。だから「個性」とか「迫力」とか「芸術性」と言われると…途端に書くのがおもしろくなくなってしまう。

とにかく「書く」ことが好きなんですよね。「字」も「文章」も、もう一つ「絵」も。その中で一番得意なのが「文章」なんです。だから何とか繋ぎたい。頑張ります。