「大奥」のSeason2が終わりましたね。
Season1も凄かったけど今回もすごかった。お話としては、幾分地味というか渋い話でしたが、ドラマとしての作り込みようはSeason1に負けていなかったですね。
最終回、慶喜の嫌なヤツっぷりと、和宮の気風の良さが際立っていました。西郷にあそこまで言われて黙っていては女がすたる、って感じでしょうか。女がすたる、というか、本当は男も女もないんです。それぞれがれぞれの誇りのために「気張る」んですよね。そしてあのときの和宮は、家茂のためにもその誇りを守りたかった。
「大奥」というと、今まで愛憎うごめく世界で昼メロ路線なイメージでしたが、まずはよしながふみさんの原作が、それを踏まえながらも、男女の立場を入れ替えることで、現代のジェンダーの問題にまで切り込み、無意識の差別をも浮かび上がらせていました。そして、愛憎劇ではあるけれど、そこに頼りすぎず、当時の時代背景をしっかり描くことで物語や人物に深みを持たせていました。それが「説得力」になる。そこをしっかり描き切ることで、「切なさ」や「やりきれなさ」や「一途さ」、そういった感情の機微に説得力が出る。
そんな原作の良さを活かしたドラマでした。まずはキャスト。とてもぴったりな配役でした。吉宗の冨永愛。綱吉の仲里依紗。治済の仲間由紀恵。鈴木杏の平賀源内。岸井ゆきのの和宮。ほかにも、この人はこういう演技ができたのか!という新鮮な驚きがありました。「脚本」と「演出」も良かった。
すべてが相乗効果でドラマを盛り上げていました。
最終回ですが、最後まで見て、これは原作と同じなのかな?ドラマのオリジナルなのかな?と少し気になって、原作を読んでみました。そしたら全部しっかり同じでしたね。セリフもほとんど同じでした。ある意味すごいな、と感心。オリジナルっぽい感じがした船のシーン。津田梅子もちゃんと出ていました。
NHKのドラマスタッフの皆さん、見応えのあるドラマをありがとうございました!