Sakuyaのイソジオタ活のススメ

サブカルにまみれていたバブル時代を経て現在五十路

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」最終回

ついに、ついに、最終回。前回義経の最期について書いてから、本当に毎週楽しみに大切に見せてもらっていたこのドラマ。

これまで北条義時が、どんどんとダークサイドに行ってしまうのを見守ってきましたが、このまま最期を迎えるのかな?という予想をまたまた軽く裏切ってくれました。

そうです、あの、人の良い泰時は実は義時似なんですよね。誰にでも公明正大で、実直。不器用だけど大らかで優しい。そして、そんな泰時がこの後鎌倉の執権として頼朝から実朝までの幕府動乱を鎮めていく。

泰時にすべてを託すため、敢えて修羅の道を歩んだ義時。すべて地獄へ持っていくという信念がそれまでの義時を動かしていたのなら、その悲願は己の姉である政子に阻止されてしまいました。

自分の息子である頼家を、弟が殺したということを知っての行動という解釈もできそうですが、私は一番には、もうこれ以上義時に手を汚させたくなかったのだと思いました。そして鎌倉の鬼の執権ではなく、「自分の弟」の義時を取り戻したかった。実直で優しかった弟を。そう考えたら泣けました。

這って床を舐めても生きようとする義時を有無を言わさずに遮った政子。あまりにも迷いのない行動に驚きました。弟のこの修羅の道を終わらせたい、終わらせなければ。その一心だったのでしょうか。

隠岐に流される後鳥羽上皇の滑稽さと、暗躍していた三浦との少し悲しくもある和解、義時の毒を飲んでしまう時房のうっかりがドラマの壮絶な最期の箸休め的なアクセントになっていて面白く、脚本の上手さが際立ちました。

脚本も上手かったのですが、三谷作品に対して食わず嫌いだった私が初めてこんなにのめり込んだのは、キャストの俳優陣の熱演が一因でもあります。小栗旬小池栄子はもちろん、坂口健太郎瀬戸康史菅田将暉、実朝を演じた柿澤勇人さんや公暁寛一郎さんなど若い俳優陣の演技が素晴らしかった。木曽義仲青木崇高畠山重忠中川大志も印象に残りました。

一年間、楽しませてくれてありがとう。