Sakuyaのイソジオタ活のススメ

サブカルにまみれていたバブル時代を経て現在五十路

異類婚姻譚

供給待ちしてる間に、久しぶりに本を読んだんですが、本谷有希子さんの「異類婚姻譚」。

私は、読む本を選ぶときに、自分の「指先の勘」を信じてて、タイトルや作家名だけじゃなく、まったく知らない作家さんでも触れたときにピンとくるものがあるというか。

以前無名の頃のあさのあつこさんや森絵都さん、佐藤多佳子さんなんかもそんな感じで見つけたし、今回も、まったく知らずに手に取ったのがこの本でした。

ですが。まさかの芥川賞受賞作だったんですね。

受賞が2016年。直木賞だと割と覚えていたりするんですが、芥川賞は純文学の新人賞だからあまり記憶に残っていないことが多いです。

そして、作者は石川県の白山市出身の劇作家。へぇ…と思って作品名を見て、あら、これって映画化されてるよね?「生きてるだけで、愛」ってさ、確か菅田将暉出てなかった?いやいや、そんな有名な方だったのか。知らないでどうもすいません。たまに北陸出身で超有名な文化人いるけど、この方もそのお一人なんですね。

それで肝心のお話の方ですが、「異類婚姻譚」、とても不思議な話でした。最初夫婦の倦怠感みたいなものを書いているのかと思っていたら、あれあれと思う間に意外なラストへと。タイトルの「異類」。確かに夫婦って別の生物ですよね。同じ人間とも思えないときもあります(笑)そのうえで夫婦が似てくるというのもよくわかる話だったりするけど。そして途中、かなりグロい感じもしたのにラストは美しいというか、妙に清々しくて。何か不思議でした。

こういう色合いの話は久しぶりに読んだと思いました。大学のときに純文学系が好きで、「群像」とか読んだりしてたんですが。まさにこの作品も掲載は「群像」でした(笑)

でもたまにはこういう話もいいですね。まさしく日常の中の非日常。日常の中のヒヤリとする感じ。面白かったです。