Sakuyaのイソジオタ活のススメ

サブカルにまみれていたバブル時代を経て現在五十路

私と少女マンガ③

さて、今のうちにBE:FIRST以外のネタを書いておきたいと思います。

前回吉田秋生さんを書いて、その次の年代というと、35年組ということになるかと思います。35年組には、成田美名子渡辺多恵子市東亮子秋里和国川原泉などがいて、ほぼ全員をデビューから知っているような面子です。特にというと樹なつみさん。LaLaでデビューして、連載していた「マルチェロ物語」を読んでいたのが最初でした。そして、「朱鷺色三角」までは、本誌で読んでいました。そのあたりで多分、就職して仕事が大変でマンガも読めず、次の「パッション・パレード」は完結してから友人にコミックを借りて読みました。

 

この「パッション・パレード」には衝撃を受けました。同じシリーズの朱鷺色…の方は、いわゆるESPもので、血族の話でしたが、パッション…の方は、そのおどろおどろした感じがあまりなく、穂津見家の呪われた血を受け継ぎ力を持った主人公・霖の成長の物語でした。しかもバスケシーンが多い、スポ根的要素が入ったSF。スポ根もSFも好きな私は夢中にならない方がおかしい(笑)。血族である近親者、零と蕾との複雑な関係性や、ジューンとのドラマチックなラブストーリィ、それに運命的なキングとの関わり。

それらが絡み合いながら一つの壮大な物語を作り上げていく。本当にこの話はすごいと思いました。そして、霖という特殊な力を持ちながら、穏やかで優しい、でも実はしなやかな強さを持った主人公が、とても魅力的で。

彼がバスケをやるために単身アメリカに渡り、何も知らない世界で少しずつ成長していく物語は、その時、就職したばかりで仕事が上手くいかず、迷っていた私自身をも導いてくれました。本当に、この物語には助けられました。霖が折れずに、立ち向かう様が私に勇気をくれたんです。

もう何度この話を読み返したかわからないくらいなんですが。後半の畳みかけてくるバスケシーンに興奮し、ジューンとの最初の夜にキュンとし、キングとの抱擁に涙する。少女マンガの醍醐味をこれでもかと詰め込んで、それでいて破綻のない物語として成立させる、樹さんの作家としての手腕に唸りました。

というわけで、私の中ではこの話がNo.1なのですが、もう一つといえば「OZ」ですね。こちらはバチバチのSFで、まあとにかくカッコいい話なんですが、人工のサイバノイドが「人」として少しずつ目覚めていくのは、私の好きなディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」に通じるものがあります。アンドロイドもの、好きなんですよね。

 

次回は、清水玲子について書ければと思っていますが、まあ予定は未定です(笑)