前回、昔のことを振り返って書かせていただいて、あの当時の思いがふわっとよみがえって懐かしさと同時に痛みみたいなものを感じました。オタク活動で、要するにアマチュアなんですけど、創作の世界って結局「才能」ですよね。作品は自分のなかにあるものを切り売りしてるみたいな。そこでいろんなものとぶつかっていたわけです。人間関係もそのせいでこじれたりもしました。でも私も歳をとって、記憶がだんだん薄れてしまっていたりしているので、「本当にあったっけ?」みたいな気もしていました。なので今回あの当時のことを文字として残すことができて良かったです。でも他人が読んでおもしろいのかは疑問ですが。
さて、大学時代はその半分以上を「キャプテン翼」で過ごしたわけなんですが、それと並行して少しやっていたのが、「銀河英雄伝説」と「魔界都市ブルース」です。「銀英伝」の方は、最初にアニメ化されたのが大学の最後の年だったかな…?それより前に原作を高校の先輩が「読んで~」と貸してくれました。「最初難しくてつまんないかもしれないけど我慢して読めばそのうち面白くなるから!」と言われ(笑)たんですが、私は中学の時歴史ものが大好きだったのでつまんないどころか夢中で読みました。その前段に道原かつみさんのマンガ「黄金の翼」も読んでいました。ラインハルトとキルヒアイスの話で、とてもおもしろかったのですが、そのまま帝国側には思い入れずに、小説を読んだら同盟びいきになりました。ヤンはもちろんですが、私はユリアンのファンで。優等生キャラが好きなのと、高校生の時から可愛い男の子キャラが好きで、仲間内ではショタコンと言われてました(笑)あとはシェーンコップが好きでした。帝国だとミュラーですかね。もちろんミッターマイヤーとロイエンタールも好きではありましたが。
銀英伝は今もアニメをやっているので若い世代も知ってると思います。うちは夫もアニメが好きで、最初のを家族で見ていたので、娘たちもファンです。
銀英伝の二次創作はやるつもりなかったのですが、というか原作が完璧でやる余地がない気がしたので。原作に穴があったり、納得いかなかったりするとそれを埋めるために書きたくなるんですよね。そういうのはなかったんですが、原作を貸してくれた先輩と共通の友人に本を作るから書いてと言われてユリアンとシェーンコップの話を書きました。書いたのはそれ一作です。
菊地秀行さんの「魔界都市ブルース」。未来の新宿が舞台で、「ぼく」と「私」の二つの人格を持つ秋せつらの話です。菊地さんの小説は高校の時「吸血鬼ハンターD」を読んでいて、「魔界都市~」も秋せつらのキャラが好きでした。大学の同級生と後輩にも好きな子がいて、盛り上がって3人で本を作りました。奮発してオフセット印刷で、100部刷ったんだったかなあ?本の装丁の仕事をしている知り合いがいて、凝ったデザインにしてもらって。書いた話はせつらと幻十の思い出にメフィストがからむ話です。昨日も少し触れましたがPINKというロックバンドにもはまっていて彼らの曲のイメージで全体を統一した本で、意図的にレトリックに凝って書いたちょっと実験的な話でした。二次創作を書くときは原作の雰囲気に寄せて書くことが多いのですが、このときはかなり自分の方に引き寄せて書いた気がします。